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関西広域連合特集号

「関西広域連合」ってなあに？

関西圏域の８府県と４市をが結集して、「分権型社会の実現」や「東京一極集中の打破」を目指すとともに、府県域を超える課題（ドクターヘリの共同運行、被災地の支援、交通・物流基盤の一体的管理、広域にわたる観光の振興など）に取り組んでいます。広域連合長は井戸兵庫県知事、平井鳥取県知事はジオパーク推進委員を務めています。「関西広域連合議会」は定数39名（平成29年10月１日現在)で、鳥取県からは広谷県議を含めて２名が「連合議会議員」として参加しています。本号では、昨年の二つの「連合議会」での広谷議員の質問の様子をご報告します。

平成29年７月臨時議会での質問

広谷広域連合議員質問　私の出身地は山陰海岸ジオパークの風光明媚なジオエリア「浦富海岸」、そしてこの度運行されたＪＲ西日本の豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風」が停車する「東浜駅」のある、鳥取県岩美町です。
　広域連合内のジオパークとしては、鳥取、兵庫、京都の３府県にまたがる、２０１０年世界ジオパーク認定の「山陰海岸」と、２０１４年日本ジオパーク認定の「南紀熊野」とがある。広域連合としてのジオパーク推進について所見を伺う。

平井伸治ジオパーク担当委員（鳥取県知事）答弁　ちょうど90年前のこの７月、島崎藤村は山陰を旅し、福知山、城崎温泉、また広谷議員の地元の岩美町の岩井温泉に宿泊し、更に鳥取砂丘や湖山池も訪れ、名紀行文『山陰土産』を著した。そのような感銘深い姿が「山陰海岸」には残されており、現在では「トワイライトエクスプレス瑞風」の第一級の旅行商品として広く認知された。
　「南紀熊野」でも豊かな常緑樹の中に、シイノトモシビダケという珍しい発光性の菌が育つという、他のどこにもないものがある。ジオパークの価値は県境を越える。関西連合としてもこの価値を発揚したい。

質問　　「ジオパーク」は「世界遺産」に比べると一般への認知度が低く、特に都市圏では低い傾向にある。関西広域連合としても「山陰海岸」「南紀熊野」のジオパークをより啓発・ＰＲするべきと思うが、所見を伺う。
　国の取り組みとしては環境省に「ジオパーク推進係」が設置された。「ジオパーク概念」の一層の普及を図るため、広域連合としても強く国に対して働きかけては、と考えるが所見を伺う。
平井委員答弁　関西連合では外国旅行者向けの冊子などを発行し、ジオパークをＰＲしている。国・環境省に対しても財政措置も含めた振興策、教育旅行の推進などを働きかけて行く。

平成29年11月臨時議会での質問

広谷広域連合議員質問　関西広域の全体から陸・海・空の玄関に３時間以内でアクセスできるという「関西３時間圏域」の実現に取り組む中、日本海側の高速鉄道と高速道路の整備について質問する。
　山陰新幹線は、昭和48年に閣議決定されたが、その後のオイルショックなどにより、四十数年来計画が中断したままだ。平成25年には日本海側関係自治体が「山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議」を結成して取り組んだが、昨年（Ｈ28年）12月、北陸新幹線の敦賀以西のルートが小浜市経由と決まったため、山陰新幹線の実現が遠のいた。関西広域連合の山陰新幹線の認識を伺う。

仁坂副広域連合長（和歌山県知事）答弁　　関西広域連合は本年（Ｈ29年）３月に、山陰新幹線をはじめとする路線の計画決定に向けて国や与党に働きかけを行った。様々な議論があり、その収束に合わせて鉄道版インフラマップを作りたい。

質問　　日本海側の高速道路である山陰近畿自動車道について伺う。平成６年に地域高規格道路の計画路線に指定されてから20年以上経過し、本年（Ｈ29年）４月１日現在で、供用済みが28・5 ％、事業中を含めても44％で、半分以上が調査中の現状だ。関西の高速道路網は、山陰近畿自動車道も含めて全体がつながってこそ本来の機能を発揮する。広域連合としての山陰近畿自動車道の位置付けについて所見を伺う
仁坂副広域連合長答弁　山陰近畿自動車道は、山陰自動車道、鳥取自動車道、北近畿豊岡自動車道、京都縦貫自動車道と連結する北関西の広域網の軸となる路線だ。山陰海岸ジオパークなど観光振興や、日本海側と関西都市圏との連携・交流に大きく寄与する。現状のミッシングリンクの解消に努力する。

質問　南海トラフ地震発生の可能性が言われる中、リスク分散やバックアップ体制確保の観点から、関西にとって日本海側の鉄道網・高速道路網は大変重要と考えるが、連合としての所見を伺う。
仁坂副広域連合長答弁 全く同感だ。広谷議員ご指摘の、リスク分散、バックアップ体制確保という論点を、国に働きかける際にも大いに強調したい。